美しく生きるということ――がんサバイバーの1人として

§1 乳がんが発覚したとき


私が乳がんと診断されたのは2013年の夏、48歳を目前にした頃のことでした。

お風呂でいつものようにマッサージをしていたら、あれ?と、はっきり分かるしこりを感じたのです。

その時、心配する夫を横目に、私の心の中には「これで最先端治療を自分自身の体で経験して、その良し悪しや効果を確かめることができるかもしれない…」という思いがわき起こっていました。

「“美しさ”への気づき」ページにも書いたように、もともと私は女性用下着を中心とした美容・衣料関係の会社を20年以上にわたって経営していましたが、2011年、東日本大震災以降の販売不振を契機に、がん最先端治療の関連事業に転換していました。

それから2年ほどして、私自身ががんになったということになります。それは、ようやく臨床段階に入ったばかりのがん遺伝子治療を、自分自身を実験台として試すことができるチャンスでもあったのです。

2020年現在、それからもう7年が経ちますが、手術はもちろん、抗がん剤も放射線治療もしていません。入院もしていません。発覚のときから今まで、がん最先端治療の一つである遺伝子治療だけを続けています。

私自身のがん治療の詳細については、また後で述べることにして、次ページからは、まずなぜ私ががん最先端治療に関わるようになったかということをお話ししましょう。