美しく生きるということ――がんサバイバーの1人として

§7 どん底からの復活


経営方針の違いから多くの仲間と袂を分かった私は、35歳の時、死を意識するまで希望を失いかけました。

しかし、そのどん底の中で、私は次のビジネスのアイディアを思いつき、再起を果たすことになります。その原動力となったのは、残された社員たちに対する責任感でした。私にとって、それまでついてきてくれた社員はかけがえのない宝物だったのです。

――この前後、たくさんのエピソードがありますが、ここではとても語りつくせないので、また別の機会に――

 極限状態でひらめいた新しいビジネス(健康・美容関連のサプリメントの企画販売)は、わりと早い段階で軌道に乗り、危機的状況だった経営も安定するようになりました。

補整下着のほうも、サービスの統一を図るため、かつてのような取扱い店方式から直営店方式に重心を移して再起動します。「LAPIA THE SUPERSTYLE(スーパースタイル)」という独自ブランドを起ち上げ、全国展開を目指しました。

 マスコミに注目されることで補整下着を扱うメーカーも増え、その結果、ただブームに乗って売ろうとするだけの粗悪品が市場に出回るようになったり、また、高額商品を強引に販売するような業者も現れて、「補整下着」にはダーティなイメージが付きまとうようになってきていました。

高い、キツい、ダサい…しかも怪しい――そんなマイナスイメージを払拭するために、有名タレントとのコラボにより、安くて着やすい新しい感覚の補整下着(C.C.LINE)を企画開発したりしました。

(実際、しっかりと作られた本物の補整下着は、着るとかえって気持ちがいいものです。)